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《はじめにぃ〜



"ヘルニア"って


腰がいだけ〜って思ってました


そう、


自分が"ヘルニア"になり、足のみを感じるまでは…


この未知との遭遇で不安のまっただ中、


情報をゲットしたくて辿り着いたのが


病棟】


運命の出逢いって感じ〜


シングルママみかの…


涙あり


爆笑あり


もっちろんあり〜





"尿管結石"+"ヘルニア"闘病記"


【爆みか物語】


はノンフィクションであり、登場人物の全ては実在しま〜す


なお、


文章の中に


《みか語》


と呼ばれる独特の表現がありますが、


ニュアンスでご理解いただきまして、


お気に入ってもらえちゃったら多いに日常会話でご使用くださぁい


それでは…


いよいよっ…


はじまり♪はじまり〜♪




お見事階段落ち1


恥ずかしさレベル


★★★☆☆


レベル


★★☆☆☆





短いお盆休み明け〜


さぁ


気合い入れて仕事に出発〜


おっと〜今日は燃えるゴミの日だった





ゴミ袋を片手にスーツ姿の超カッコつけ女みかは


コツコツヒールを鳴らして階段を下りて行った♪


息子と仲良く二人で暮らす誰が名付けたか〜みか御殿は2階なのだ〜


らららぁ〜♪


今日も朝から暑いなっと思った瞬間…


あぁ〜れぇぇぇぇぇ〜


まるでコマ送り状態で、ズルズルっとうつ伏せで体がぁぁぁぁぁ〜


なんと


階段から落っこった。


何秒か自分に何が起きたのか〜わからんちんで


階段下のアスファルトにうつ伏せで寝ていた。


しっかりと左手にゴミ袋を持ったまま…





どこをどうしたかわかんないけど


でも、何か笑える…


その時、やっとハッとして回りを見渡す〜


幸い誰にも見られてなかった様子。


ホッとするのも束の間の喜び〜


おろしたてのストッキングは無惨にも電線してます





大穴開きまくり〜





やっちまったぜ〜


あちこち傷だらけ流血トホホ状態で階段を上がって行った。


もちろんゴミ袋を持ったまま…







しみる消毒液


レベル


★☆☆☆☆





1歩1歩踏みしめながら、みか御殿に到着。


まずは破れたストッキングを脱ぐ〜


傷に触れてかなりい。


だが、いのになぜか笑える…


怪我をしたのは、腕3ケ所と左足の膝。


左足の膝が特にひどく血が止まらない。


出かけたばかりのママが帰ってきて、息子もびっくり


「どうしたの?」


階段から落ちちゃった〜


「アホか…」


息子は呆れ顔で消毒薬を持ってきて


「ほれ」


うおっ





しみるぅ〜


ちょちょちょ待った〜



「我慢しろ〜」


はい…


どっちが親だか…


消毒をしてから気づいた〜


スカート破れてるぅ〜


しかも、あちこちい。


左の骨盤に肩も打っていた。


顔に怪我がなかったのは良かった。


スーツを着替え、とてもストッキングをはける状態じゃないので靴下をはき、


靴はローファーにして再度出発〜


今度は落ちないようにっ、手すりを握り一段ずつ慎重に


ゴミもちゃんと捨てたし、愛車に乗り込み、


血が止まらない左膝にティッシュを当て、エンジンぶるるんっ〜


あっ


会社に連絡しなきゃっ。


傷の手当や着替えで、すっかり出遅れてしまった。


休み明け早々の遅刻だぁ〜







視線は釘付けっ


恥ずかしさレベル


★★★★★





もしもし、みかです。


おはようございます。


「おはようさん。どうした〜?」


朝の電話は遅刻か休みと相場が決まってる。


階段から落ちちゃって…


「いつやったんだ〜」


今です今っ。落ちたてです。


「落ちたてって…大丈夫なんか〜?」


はぁ〜


何とか〜


ちょっと怪我しちゃって、手当したりして遅くなっちゃったので、すみません。


「気をつけろよ〜」


はぁい。








大手企業は、まだ盆休みなのだろう。


朝の渋滞も大した事なく会社到着


おはようございま〜す。


遅れて申し訳ありませ〜ん。


「おぅ大丈夫か?」


「怪我ないのか?」


部長が近づいた瞬間…


「おい薬箱〜薬箱持ってこ〜いっ」


事務所内の視線がみかの足に集中〜


まだ流血が…


でら恥ずかしい…


派遣の女の子があたふたと置き薬の入った箱を持ってきたが…


「部長〜湿布と絆創膏しかないです」


「医者だ医者行け〜」


午前中アポがあるんで…


部長、平気ですから〜


いより、恥ずかしい…


こういう時は笑ってごまかす


早く出かける用意して、この場から逃げたいばっかりのみかであった〜







話のネタ


レベル


★★☆☆☆





さっさと出かける用意をして、営業車に乗り出発〜


打撲部分は時間が経つ毎にくなってる気分…


みかは食品関係のメーカーで営業をしている。


お客はスーパーと問屋。


その日はスーパーへ次の日曜に企画したイベントの打ち合わせ。


おはようございま〜す


スーパーでは芸能界のように、挨拶はなぜか


『おはようございます』


が多い。


担当者のチーフを発見し、打ち合わせをする。


スーパーで働く人々は忙しい。


ほとんどが立ち話。


打ち合わせを終えて…


今度の日曜お願いしますね〜


そう言って帰ろうとしたら…


「ねぇねぇ〜、その足どうしたの?」


がびちょぉ〜ん


流血は収まってるけど、見事な傷は誰でもわかるよねっ〜


もう恥ずかしいもヘチマもないさっ


ネタにしてやれぇ〜





かなりやけくそ♪


階段から落ちました〜


それから笑いを取りながら、階段落ちについて語るみかでした〜


はぁ〜悲しき営業


どんな事もネタにするのさっ


一仕事して車まで戻りながら〜


マジい…


段々、みが増してきた。


医者行こっとせ…







はじめの一歩


レベル


★★☆☆☆





はっし〜さんも物語で述べているように、


ヘルニアの原因を特定するのは難しいとみかも思うです。


みかの場合、この階段落ちが原因のひとつにはなったと思うんです


ヘルニアのみで苦しむようになってからわかった事ですが…


この時にみかの体に異変があったんです。


それは、まだまだ先のお話で


さぁ、膝ズルムケ状態で病院へ行ったみか…


「どうされ・ま・し‥た…」


階段から落ちました〜


「いやいやぁ〜思いっきりやったね〜」


それから、事情聴集のように、


どんな体勢で何段目から落ちて、落ちた所はどんな場所で等聞かれた…


警察じゃないからカツ丼はないが消毒が待っていた〜


看護婦さんが消毒する頃には、


ここにこんな数の看護婦さんいたっけ?


というほどに集合していた。


「うっわぁ〜そう…」


かわいい顔した若い看護婦さん達


そうって顔が笑ってるぅぅぅ


足と手はガーゼとあみあみカバーで、すさまじい…


腰や肩は湿布。


このままみが収まれば、もう来なくていいという事だった。


今思うと、この時は


この程度で最悪と言えただけ幸せだったかも………







歌姫


アイドルレベル


★★★★★





突然ですが、みかの趣味について…


みかはシンガーソングライターを趣味ってます


月に1〜2回ほどライブなんかしちゃいます


高校時代バンドを組み、


いつかライブで歌いたいね〜


などと言いつつ、


いち早くお嫁さんに行き、


子作りし童謡やウルトラマンの歌を歌ってました〜


そんな忘れかけてた夢が叶い、


歌姫気分でライブを始めて、


いつか自分のCDを作りたいなどと思うようになりました。


階段落ちから1ケ月ほど経った頃…


ライブ仲間がCDを自主制作する機材を購入


なんと、


それを1週間借りる事ができたのですっ〜


メカ音痴なりに、操作をして音源を入れる。


もう楽しくて楽しくて♪


みかはシンセサイザーで色々な音をパートごとに録音して、


その時は仕事を定時に終わらせて帰ってきたもんです。


すっかりナルシスト…


休みの前日は朝方までシンセサイザーに向かってました。


あっという間の1週間でした。


念願叶って、夢のCDはできあがりった〜のですが……


みかの桃尻に…





何???


変な引きつりのような〜


何???


いような違和感……



いやんっ…







桃尻の危機


レベル


★☆☆☆☆


ドキドキレベル


★★★★★





それは座っていて立った瞬間とかに多かったように思う。





桃尻がつっぱる〜





ついついたたいてみる→これは後から聞いたのですが、


絶対しちゃ駄目です





何となく良くなった・か・なっ…


そう思いたかったから、気にしないように思い込んでみてた。





あっ、まただっ…





思い込んだだけでは、やっぱり駄目子ちゃんらしい。


次第に不安になってきたぁぁぁぁぁ


とりあえず、友達に訴えてみた。





みかね〜


何か変なんだわ〜


「はいはいっみかはいつも変じゃん」








………………ちっがぁう





大親友の美希、奴はなかなか手強いっ


そこから、また違う話をしてしまった…


日増しにむ頻度が増して、みかの桃尻たたきも増えた。


さすがに、おかしいと思ってくれた美希に…


「医者行ってこんかぁい」


…と怒られ、


仕方なく、おそるおそる医者に行く事にした。





変な病気だったら、どうしよう〜





ドキドキしながら、仕事が早く終わった日に会社の近くの整形外科へ行った。







腰は痛くないよーだっ


レベル


★☆☆☆☆





会社の近くの整形外科。


内科もあるので風邪をひくと行き、注射をしてもらっていた。


中待合室に、


二代目貴乃花と先生が握手をしている写真があるのを見ていたので、





スポーツ選手が通う病院なら間違いないと思っていた。


今思えば、間違いだったが…





「どうされました?」


お尻の辺がいんです。


「ベットに寝てください」





ヘルニアの診断は仰向けになって足が上がるかだ…


この時は、まだ足を上げる事ができていた。


初体験の足上げに、なんじゃらほい?のみかだった。


「レントゲン撮りましょう」


レントゲンを写し終え、貴乃花の写真を見ながら中待合室でドキドキしながら待っていた。





「みかさ〜ん」


呼ばれて中に入ると先生がレントゲンを見ていた。


「みかさん、ヘルニアになりかけてますね〜


4番5番の間の椎間板が真っ黒でしょう。


腰に負担をかけないように注意して、毎日リハビリに通って下さい。


いお尻のとこに弛緩剤打ちますね〜」





桃尻に注射され、腰がくないのにヘルニア?


不思議ちっくな気分でリハビリに向かった。







リハビリ初体験


もっとしてレベル


★★★★★





腰のみがないのに“ヘルニア"


???


みかがいのは桃尻なのにな〜


そんな事をブツブツ考えながらリハビリ室へ行った。





ここは老人ホーム?





…と思うほど、年配の人ばかり〜


何とも場違いのような気分〜


名前を呼ばれ、初診という事で、


にならない為の姿勢など書いたプリントをもらい説明を受け、いざリハビリっ





最初はマッサージ





これは快感♪♪♪





もっとして〜♪





この日は、初めてという事で、


リハビリ室では一番偉いんだろうなって先生がやってくれた。


それからしばらく通ったが、この病院は担当が決まってないので、


毎回違う先生がマッサージをしてくれる。


かなり当たりはずれがあった。





次は牽引〜


ヘルニアと言えば牽引〜というイメージがある。


腰にベルトを巻かれ10分ほど引っ張られては緩まりが繰り返される。





気持ちいい〜♪





最後は電気。


吸盤を足や桃尻につけ、もみもみ+ビリビリ〜





うおっ





これはツボに当たると、かなり癖になる快感♪


これらの快感を味わうべく、面倒臭がりみかも、しばらくはリハビリに通うのであった。







イス


反省レベル


★☆☆☆☆





リハビリでもらったプリントを家に帰って見てみた。


腰に負担をかけるもの《×印》がついた姿勢のどれもこれも、みかが大好きな体勢…


ドライブテクは星5つ気分のみか。


シートをやや倒し気味で社長ちっくなえばりんぼ姿勢で運転する。


イスに座る時は浅く腰掛け、だらり〜んと





ふんぞり返る。





眠る時は





うつ伏せに限る。





そして、桃尻異変の始まりとなったシンセサイザーのイス


小洒落たショットバーのカウンターにでもあるよな高さで、


チビっこみかは浅く腰掛け、右足はダンパーペダルを踏む…


だからと言って、このイスに座らないとこっとは思わず〜


はいはいっと他人事♪


脂汗地獄を体験した今、


この頃のみなど蚊にさされた程度だったわけだし、


時々襲われる桃尻のつっぱりが半年後みかを苦しめるなど見当もつかなかった。


そして、





危険なシンセのイスに座り続ける日々が、この後訪れた…


10月11月12月 3連ちゃんで


結婚式にお呼ばれ〜


冠婚葬祭貧乏を爆進し、


披露宴では二人のために作った歌を歌いプレゼントするのだ。


ヘルニアの魔の手がどんどん近付いてきているとも知らず……







慣れ


アーティストレベル


★★★★★





リハビリに通ったのは約2週間。


あの快感も、忙しいみかには通用せず、


やっぱり続かなくて…


桃尻のつっぱりがなくなったわけじゃなく、


慣れてしまった。


慣れとは怖いものだ。


そして、





仕事もバリバリっ♪


ライブ活動もバリバリっ♪






ごく普通に過ごしていた。


(あくまでも、みかの中の普通です)


3ケ月連ちゃん“寿"の頃、CDを作成する機材を思いきって購入


2枚目のアルバムの作成を始めた〜♪


これで、いつでも好きな時にレコーディングができるようになり、


禁断のイスにも長く座るようになっていた。


同時進行で、定期ライブ以外でのライブの練習もしていた。


ちかちゃんという友達が


ビートルズ等オールディーズをやる主婦バンドでギターをやっていて、


前々から一緒にライブしたいね〜と夢見てた。


そのジョイントライブが3月に迫っていたのだ♪


無料で聴いてもらうという太っ腹企画


久々の地元ライブ


ともかく楽しもっ〜をモットーに、


みかもウキウキだった


だが、





この頃からみかの体に変調が起きたのだった。







忘年会


のんべ〜レベル


★★★☆☆





音楽活動もバリバリ中、年末になり仕事も忙しくなった。


年末と言えば


忘年会〜


みかの会社の宴は、すさまじい…


飲む量も半端じゃないので、いつしかみかも





『熱燗がうまいっ』





『焼酎お湯割りで梅干し入れて〜』









などと、すっかり親父化。


フリーズしちゃうよなオヤジギャグも


得意の一品だ


12月に入った頃から、みかは風邪をひいたのか、微熱が下がらなかった。


CD作りで睡眠不足〜


仕事も通常業務に年末の挨拶回りもあり疲れているのだと思ってた。








そして、忘年会





“取りあえずビール"でカンパ〜イ♪


ここで、いつもなら…





ぷはっ〜


うまいっ♪






…となるのだが、おいしくない。





あんまし飲みたくないな〜





そんな気持ちとは裏腹に、親父キラーみかは


『み〜かちゃん♪ほれ飲め飲め〜』


とすすめられるままにコップ酒〜





うっ…


何か酔っぱらい気分?






みかにしたら大した量は飲んでない。





なんか変…


寝たら直る〜






みかは寝れば何とかなると思う人なので、家に帰るとスーツのままベットへ〜


寝るというより倒れ込んだのだった…







下がらない微熱


だるだるレベル


★★★★★





年も明け、相変わらずの微熱…


朝はまだ微熱があっても元気なんだが、お昼も過ぎた頃には、


何とも言いがたいだるだる〜





仕事し過ぎ?


遊び過ぎ?






市販の風邪薬を飲んでみても、変わらない。


高熱で動けないわけじゃないし、微熱程度で仕事休めないしな〜


それで、またアノ病院へ行ってみた…


貴乃花の写真のあるアノ病院だ





「どうしました?」


風邪みたいで〜


微熱が下がらなくて〜


だるだるなんです〜





内科は先生が違う。


やさしいおじいちゃん先生だ。





「喉見せて〜あぁ、赤いね〜薬塗って、注射もしとこ〜か風邪と疲れだね〜」





はい…


仕事忙しくて〜





「睡眠と栄養取ってね。しばらく注射に通いなさい。楽になるからね。」





そして、また注射に通ったが、微熱もだるさも変わらないまま…


これにも慣れていくみかだった。


ただ、2月になってからは、だるさも過激になってきて、


午後になると肩で息をするほどだった。


そして2・26事件があった日に事件は起きたのだった。







真夜中の襲撃


レベル


★★★☆☆





2002年2月26日


午前2時過ぎ頃だと思う…





う〜


い…






突然、今までに感じた事のない腹に襲われ目覚めた。





うっ…


気持ち悪い…






吐き気のおまけ付きだぁぁぁ〜





ムカつく





眠り姫みかは、睡眠を妨げられて、ご立腹〜





おさまれっ


おさまれぇ〜






治まるところか、みも吐き気も、ひどくなる〜





もうっ


ムカつくな〜






仕方ない


トイレ行こう





みかのイメージが崩れる汚い話だが…


(どんなイメージだろう)





P〜P〜P〜





すさまじい


今までに経験がない下痢だっ


みかはお腹は弱いので、


食べ過ぎたり、ちょっと豪華な牛肉なんか食べると、


すぐ下痢る。


それにしても、こんなのは初めてだ…





昨日、何食べたっけ〜





眠くてムカつきながらも思い返してみたが特に変わった物を食べた記憶はない。





うっ〜





吐き気もある。


みかは吐いた事がほとんどない。


最後の嘔吐は中学ん時だった。


息が一瞬できないから、死ぬような気がして怖くて吐く事を我慢して過ごしてきた。


我慢ができるからスゴイという話もあるが…







早朝の襲撃


レベル


★★★☆☆





どのくらいトイレにいたか…


明日は大事な仕事で段取りしなきゃなんない。





寝たいよぉ〜





段々、悲しくなりながらトイレに入ったまま〜


たまにウトウトしてみたり〜





寝たら何とかなるかも〜





みかお得意の睡眠治療法で治そうとベットへ戻った。


真冬で寒く、体は冷えきっていたのでエアコンをつけ、


何とか朝まで眠る事ができた。


やはり、吐き気は気合いで我慢。


いつものように携帯のアラームが鳴り…


あっという間に朝がきた〜





昨夜の腹は何だったのよ〜


もうっ


睡眠不足なんて〜


けっ





2年越しで成しとげた商談成立


みかは忙しかったと同時にデカい新規ゲットでやる気もみなぎっていた


導入先のスーパーのバイヤーと問屋さん達に製造工場の見学をしてもらい、


その後は食事をする。


いわゆる接待が明日だったのだ。


このスーパーのバイヤーはメーカーとの商談は一切お断り。


そんな中でゲットした新規と、ゆっくり会えるチャンスだ〜


絶対、休めない


素早くスーツに着替えた時だった…





〜い





また昨夜の続きが〜


はじまりっ


はじまり〜







いや〜な汗


レベル


★★★★☆





朝の忙しい時にぃ〜


夜みたく、おさまれ〜なんて、おまじないかけてる暇もなく


トイレへ猛ダッシュ





いよ〜





出ない…









昨夜、出せる物は全て出し尽くしていたので、カケラも出やしない。


そして、時間も気になる。





お弁当作らないとなんないし〜


うぅ〜出ない


時間気になるよ〜





下痢なら出せばスッキリするからって信じて疑わないみかは頑張る





うぅ〜ん





のんびり、ふんばってる場合じゃない。


焦るし出ないしで、真冬にトイレで汗をかいていた。


それも脂汗…


いやな汗って感じだ。


みというのは波がある。





きたきたきた〜





でも、ただいだけだった。





もういい





スッキリしないまま、みの波が弱まった時にトイレから出た。


取りあえず、息子のお弁当を作り始めた。





おべんとっ


おべんとっ


嬉しいなぁっ〜♪





どんな時も歌を忘れないみかの歌が止まった……





……






お腹がくて立ってる事ができない。





何これ…





盲腸?


場所が違うよなぁ











何だろう……







ぽむぽむ?


レベル


★★★★☆





?????





今までに味わった事のない


みたく波があり、くなっては収まり、またくなる。





『病は気から』





と言うが、


こういう時はおとぼけで良かったのか悪かったのか…


普通なら医者に行くのに、みかは会社に行く事しか頭にないのだから。





よっしゃ


くないもん






そう言い聞かせて〜


お弁当もできあがりった〜♪





みの波が弱い時は…


"しくしく"





みの波が強い時は…


"キリキリ"


…じゃないな〜





"ガンガン"


…これじゃ頭だな〜





"ぼむぼむ"


………意味不明





すごく、すっごく、くて〜


飛び上がるほどいってのとは、また別ワールド


さすがに様子が変だ〜と息子も思ったらしく…





「どうしたん?」





ちょっと、おなかいんだわね〜





「仕事休みゃぁ〜(名古屋弁)」





今日は休めんのだって





「あほか…」





あほかもね〜


いってくるわ





息子の心配もよそに、気合い入れて


この後、


地獄を見るとは、全く予想もせず、カゴメ野菜生活をコップに1杯飲んで


仕事へ向かった……







脂汗+冷や汗


レベル


★★★★☆





営業車のカロバンに乗り、ZipFMを聴き出発


前日、遅くまで商談していた為、直帰していた。


みかの家から会社まで、僅か7kmに満たない距離だが、


渋滞のメッカを通り抜けて行くため、裏道をコチョコチョ走っても、30分〜40分かかる。


家を出て、'00年の東海豪雨で決壊し、


多大な被害をもたらした天白川を越えた辺りから、みの波が襲ってきた。





うげっ





いよぉぉぉ









の場合、どうしても体を丸めたくなる。


信号で止まる度、ハンドルに顔をつけて、お腹を押さえる。


運転しながらも





いのいの飛んでってけろ〜』





お腹をヨチヨチとさすってやってもみは更に更に強くなる…





会社まで何とか持ってくれ〜





トイレに行きたいような気分だけど、家でしたと同じで出ないんだろう。





じわぁっ〜





脂汗が出てくる。





みの波が小さくなると





ひやぁっ〜





冷や汗に変わり、寒気に襲われ肌はトリトリ。





会社まで後半分のとこまで来た。


この辺りから、更に超となり、みが弱くなる時間が減ってきた


なら、産まれる寸前…


と言ったところだ。







SOS


レベル


★★★★★





カーステから流れるラジオも耳に入らなくなってきた。


やばい


あと少しで会社なのにぃ〜


SOS〜


不安とみの中、みかは美希に電話してた。


「おっは〜」


いつも通り元気な美希の声に、みかは変な安心感が持てた。


美希〜


お腹が変


さすがに、いつものノリとは違うので、いつになく緊張感が漂った。





「どうした〜」


いぃぃぃ〜


「どこにいるの?」


車ん中


「…じゃなくて〜あのね〜





みかちゃんっ


(美希は怒る時、みかに“ちゃん"付けをする)


はい


「えらい素直じゃんマジおかしいら〜(三河弁)今どの辺よ?」


1号線越えたとこ


「そんなんで仕事できんのかよなんで出てくんだよ〜」


明日の段取りあるし〜営業車だし


「そんな事言ってる場合じゃないら〜」


確かに美希の言う通りだ…


「仕事なんてどうにでもなるんだからすぐ医者行け」


美希と話す事も辛くなってきていたが、


電話がつながってると思うと、どうにもなんないが心強かった。







何科?


レベル


★★★★★





会社まで、あと1分で着く


美希に





『絶対病院に行く』





と約束して電話を切った。


さすがに、この状態じゃ病院に行かないと危険……


尋常じゃないみがその間も襲ってくる。











もうちょっと








あと少し








会社まで行けば、みんないるし、なんとかなる。


ただ、ただ気力だけで運転していたんだろう〜


会社に着いた


くて、動けない


うずくまりたい


ここで、うなってるわけにはいかないし、これは早く病院へ行かないと〜


目の前の事務所に電話をした。


ちょうど同僚のコンちゃんが出た。


コンちゃん助けて〜


しゃべる事も、まともにできない。


「どうしたの?どこにおる?」


お腹くて





動けんくって





駐車場





コンちゃんが来てくれて、ちょっと助かった気分。


「救急車呼ぶ?」


病院連れてって〜


「何科に行けばいいんだぁ?内科かな婦人科かな」 どこでもいい


い…


みかは車の外に出ないまま、助手席に変わり、


コンちゃんが運転して会社近くの総合病院へ連れてってくれた。







記録更新


レベル


★★★★★





会社から車で5分ちょっとの総合病院は、


火傷と腎臓科がある事で有名な大きな病院だ。


まだ診察時間には15分位あったので、


コンちゃんは時間外の受付に行ってくれたが、


外来に回された。


みかは車イスに乗せられ、うずくまったまま脂汗を流していた。


コンちゃんが受付をしてくれて、


寝かせてやってくれ





看護婦に詰めより、処置室の奥の硬いベットを陣取った。





病院に来て少しホッとするものの、


原因不明のみは容赦なくみを増して、


みかを襲ってきていた。





色んな事を考えた。


ひたすら体を丸めて少しでもみが緩和する姿勢を探しながら(そんなのなかった)横になっていた。


みも究極になると





い』





という言葉も発せられないもんだ。





みかは帝王切開で出産をしているが、


がきてからの異常分娩だった為、陣も術後のみも経験していた。


人生最大のみは出産だったが、それを超えるみを味わってしまった。





嬉しくない


記録更新





処置室には点滴や注射をしに次々と人が入ってきていた。


恰幅のいい『おっかさん』という言葉がピッタリの看護婦さんが


みかを世話してくれた。







消化器内科


レベル


★★★★★





原因不明の腹は取りあえず


《消化器内科》


の先生に診てもらう事になった。


ここまで送ってくれたコンちゃんの後日談は〜


『あの時は、どうしようかと思ったわ。かなりヤバイぞ〜とドキドキもんだった。』


毎度、お騒がせみかはコンちゃんと美希のハートビートを高鳴らせてしまったらしい。


仕事に戻ると言うコンちゃんに…





ありがとう





そう言うのが精一杯だった。


処置室のおっかさん看護婦に、症状を聞かれた。


い場所はいつしか背中にも達していて、苦しむ姿が普通でもない。


何度も診察室に連絡をしてくれて


「早く先生に来てもらって


そんな、やりとりが聞こえてきた。


忙しい中で、おっかさん看護婦は、みかの気持ちを和らげようとしてか〜


「いくつなの?


結婚してるの?」


様子をみるついでに、話しかけてくれた


「もうすぐ先生来るから診てもらったら処置できるから〜」


先生がいつまでも来ないので、おっかさん看護婦は怒って…


「先生呼びに行ってくる


それから間もなくヌボッ〜とした先生が現れた。







短い診察


レベル


★★★★★





消化器内科の先生登場


「どこがい?」


おなか


「どの辺?」


おなか


どーでもいいから早く何とかして〜


「この辺?」


先生がお腹を押さえて聞いてくれても、どこもここもくて…





背中につきぬけるようにいんです





声になんない声で訴えた〜


看護婦さんに先生が指示を出す。


待ちに待った診察は、僅か3分にも満たない。


カップラーメンもできやしない時間…


それから、車イスに乗せられレントゲン撮影・尿検査をした。


そして、また処置室のベットに戻ってきた。


おっかさん看護婦が


「点滴するよ〜」


この時、みから半分気を失いかけていた。


「これしたら、少しは楽になるからね」


楽になれるなら何でもやってくれぇぇぇぇぇ〜


返事もまともにできず、うなずくみかだった。


ゴムで腕を縛り、血管を出す。


女は血管が細く、出にくい


みがあればなおさら出ないらしい


「出ないね〜」


腕を縛ってるゴムもいぞ〜


「出ないな〜」


何とか出して薬入れてくれ〜





薬〜





薬〜





薬〜





危ない人のようだ…







神業


レベル


★★★★★





血管が出てこない…


おっかさん看護婦も困り顔〜


「いつも出にくい?」


そうでもない


「ちょっと待ってて


そう言うと、一旦腕を縛ったゴムを緩めて、おっかさん看護婦はいなくなった。


点滴を入れても、みかの血管は細いらしく止まってしまう。


1本入れるのに、あちこち射し直すのが、いつものパターンだけど、


血管が出ない事は今までなかった。


おっかさん看護婦は、違う看護婦を連れて戻ってきた。


「この子出ないのよ


『わかった縛って』


二人がかりで点滴を入れるらしい。


パンパン


ぺちぺち



腕をたたかれた…


『血管細いな〜』


『よしここに入れる


かすかに浮いた血管。


手首に近いといんだよな〜


『チクっとするよ〜』


確かにチクっとはした


でも、うまいぞ〜


さすがに、わざわざ呼びに行っただけの事はある〜


それは神業と言えるほどだった。


こうして無事点滴の薬はみかの体内に入り始めた。


更に鎮剤を点滴の中に入れてくれたがみは一向に治まらず…


うっ


気持ち悪い


吐きそ〜








美しきブツ


レベル


★★★★★





ぎょえぇぇぇ〜


気持ち悪くなってきた〜


吐きたくない


絶対に吐きたくない





がまん〜





がまん〜





がまん〜





…………











できれ〜ん





気持ち悪いと言ってたので、ゲロ皿が枕元に用意してあった。


みかは起き上がり、うん十年ぶりに〜





吐いちゃった





すさまじき下痢で固形物は昨夜のうちに外出してた。


その後、口にしたのは…


そう健康のためにと飲んでいる野菜と果物のミックスジュース


トマトは大好き♪


でもトマトジュースは嫌いなみか。


最近、色んなメーカーから出てる果物+野菜-トマトのジュースはお気に入って飲んでる。


今朝も野菜生活を飲んだ。





キレイなゲロ





それはオレンジ色で、ジュースのまんま。


思わず見とれてしまった…


しかも、臭くないし…


大して苦しくもなく吐けた♪





やればできる





わけのわかんない自信を持ち、再び吐き気に襲われて〜





誇らしげに


また吐いた





さっきより少し苦しくて力が入り、むせてしまった。


そして…


次の瞬間びっくり〜





うわぁぁぁぁぁ





ベットの上が血だらけ〜







あふれ出した血


レベル


★★★★★


びっくりレベル


★★★★☆





何じゃこりゃ〜


故・松田優作状態





血・血・血





どこから出てきたのよ





鼻血?





つい鼻に手を当ててみた…


違うな〜





あ゛っ





点滴が逆流して、そこから血が吹き出してるぅぅぅ〜


しかも止まらない〜


半分閉まっていたカーテンを開けて、看護婦さんを呼ぶ〜


みで声も出ない…


隣のベットで点滴をしていたお兄さんが気付いてくれて


「看護婦さ〜ん点滴逆流しとるで来たって〜」


後からの会話を聞いてて、そのお兄さんは、


なかなか点滴慣れしてらっしゃる方のようで、


逆噴射で驚くみかとは違い落ち着き払って看護婦さんを呼んでくれた。


かなり感謝した…


「あらあら〜」


看護婦も慌てて処置。


ベットにタオルを敷いてくれて、まずは横になった。


まだ血は止まらない。


点滴を止めて接続の部分から血液を抜いて、また入れた。


また血が逆流…


タオルも血だらけになっちゃった。


何回か同じ事をして、やっとおさまった。


シーツ汚して


ごめんなさい


「気にしなくていいの」







不安の中


思い出レベル


★★★☆☆





白衣の天使。


入院患者が恋焦がれるのも納得だ。


おっかさん看護婦の対応にジーンとしていた。


仕事とは言え、不安と苦しさの中で藁をもすがりたい時に、


当たり前のように優しく世話をしてくれるのだから…





ふっと、別れた旦那の事を思い出していた。


仕事中、


不慮の事故で職人の命とも言える指はあっちを向いたままになった。


リハビリの先生とデキちゃって…


女ができた事を怪我のせいにして、みかと息子から離れて行った。


プライド高く、生活力のあったみかは負け惜しみで…





こんな弱い男








くれてやるさ








別居の後、自分が落ち込む事から回避したくて決意した離婚。


おしどり夫婦で有名だったのに…


苦しい時に支え合うのが夫婦なのに…


くやしい気持ちは強者の魂。


弱者の気持ちをみかはこれから半年がかりで、


しっかり勉強する事になっていく。


大きな病気もした事なく、入院など出産でしかしてなかった。





剤も効かないみ。


原因がわからないまま、時間は過ぎ、外来の時間が終わったのだろう。


処置室には人がいなくなっていた。







入院騒動


レベル


★★★★☆





どうなっちゃうんだろ…


早くみ取れないかな〜


帰りたいな〜


静かになった処置室で心細くなっていた。


そこへ看護婦がやってきた。





みも引かないし、入院しましょう。」








え゛っ?





入院なんてできません





言い争うわけではないが、静かな処置室の空間に声が響いていった。


おっかさん看護婦もその声を聞いてやってきた。


処置をしながら半日、


家族構成などを聞かれていたのは、


入院の可能性が高いと思われたからなのかも。


入院を勧める看護婦に、おっかさん看護婦が事情を話す。


みかは、どうなるのか不安で仕方ない。


全ては原因がわからないからだ


その原因を調べるためにも、 ずっと処置室にいるわけにはいかないし、このベットは硬くて狭くて、


体も休まるわけがない。


こんなシュチュエーションを予感してたが、必死にかき消してもいた。





子供が一人になってしまうんです。





何の病気かわからない。


つまり入院期間が読めない。


検査で一晩お泊まり〜というなら話も別だが、


自分の体…


そんなわけにゃいかないだろうと感じていた。







説得


レベル


★★★★☆





入院せずに


通院で治してください





「でもね〜」


「おじいちゃん、おばあちゃんは近くにいないの?」





頼る事できませんから





親に頼れるくらいなら、さっさと入院しちゃうさ…


「兄弟はいないの?」


いません


みかは、ひとりっ子。


今思えば、何でこんなに意地になったのか…





子供の事


仕事








頭はぐちゃぐちゃだ


(この状態で家に帰る方が無謀で怖いと、今なら思えるが…)


処置室の看護婦と外来の看護婦、


そしてヌボッ〜とした先生も来て、回りには10人近い人が集まって、


みかを説得していた。


「こんな状態で家に帰っても、子供が返って心配するよ


「子供の事はケースワーカーに相談しようね。」


「ちゃんと治して元気になんなきゃダメなんだよ


みかの体を思って言ってくれてるのは、今ならよくわかりるが、


この時は集団いじめにでもあってるような気分だった。


1時間以上、看護婦と先生の話を聞いて…


わかりました


うるうるしながら、そう答えたみかだった。







入院


感謝レベル


★★★★★





スーツの上着を脱いだ状態で車イスに乗せられ、


おっかさん看護婦が病室まで連れてってくれた。


その間、励ます事をやめないおっかさんだった…


二人部屋しか空いてなくて、60代後半のおばあちゃんと同室になった。


「今日入院のみかさんです。」


おっかさんが紹介してくれた。


よろしくお願いします。


取りあえず、病室に着いたのはいいが、


入院するなんて思ってもみなかったわけだから、みかはスーツ姿でベットに入った。


「入院した事を知らせたいところに病院から電話できるからね。」


みかは会社に連絡してもらうように頼んだ。


それから少しして、おっかさん看護婦が来た。


「会社には連絡取れたからね。後から会社の人が来るって言ってたよ。」


ありがとうございました。


「頑張るんだよ 早く治して子供が待つ家に帰るんだよ





うん


おっかさん看護婦の目も、みかの目にも涙がたまっていた。


ここからは病棟の看護婦さんに交代だからと、おっかさん看護婦は病室を後にした。







エコー


レベル


★★★★★





依然として、は容赦なくみかを襲っていた。


そこへやってきたのは〜





「担当医になりました××です。」





実は、この先生がの正体をあばいてくれたにも関わらず、


誠に申し訳ないが、みかはこの先生の名前を覚えていないのだ〜


(先生、ごめんなさいです。)


それも無理のない事で、担当医はこの30分後、また変わる事になるのだから…


またまた、振り出しに戻り問診。


昨日からの様子とみの場所を話した。


「外来でエコー見た?」


エコーは妊娠中に胎児を見せてもらってから、拝んじゃいない。


「ちょっとエコー見たいから歩けるかな〜?」


はい


何とか…


そして、エコーの機械のある部屋へ点滴をつりさげるコロコロがついたのにつかまり、


先生に支えてもらいながら歩いた。





いてぇよ〜


歩けると言ってみたものの、の中歩くのは至難の技だった。


「ここに横になって〜お腹出してね〜」


まずはゼリーのような物体が塗られた。





ひやっこ〜い





さぁ





さぁ





さぁ





みかを半日苦しめた犯人は……



(犯人って言うんかい?)







正体


レベル


★★★★★





処置室にいる間、寒くて寒くて毛布を何枚もかけてもらってた。


2月…





あまり使う事がないよな部屋だったらしく、暖房も入ってなくて寒い寒い。


みかがガタガタ震えてるので、先生は慌てて暖房をつけてくれた。





「う〜ん ほぅ〜 ははぁんそっか〜」


画面を見ながら、一人で納得してる先生。


「石だな





石???


「多分、腎結石」


「腎臓がはちきれそうに腫れ上がってるよ。これじゃいはずだわ。」


へぇ〜


そうなの…


「泌尿器科の先生に診てもらおうどこかに石があると思うよ。」


はぁ〜


「しかし、こんなになるまで、よくほっといたね〜」


えっ?


「ここまでなるには、昨日今日じゃないよ〜」


そうなの?


「体調悪くなかった?」








あぁぁぁぁ〜


年末から、ずっと微熱続いてて、だるかった〜






「ね、年末……」


だって、病気なんて風邪くらいしか知らないし〜


疲れてると思って栄養ドリンク飲んでました〜


原因がわかり始め、いっきに和やかなムードになり、


先生は爆笑してみかの話を聞いていた。







座薬


レベル


★★★★★





栄養ドリンク!


『24時間働きますか?』


そう言いながら


(ここで、あんたがたタフマンと言わないのがポイント)


毎朝会社に来るヤクルトおばさんからタフマンを買い、


仁王立ちで腰に手をやりゴクゴク飲む姿!


かなり板についていた。


それが200円、300円代の物をコンビニで買うようになり、


たまにユンケルの千円以上するのを買って飲んだ事もあった。





腎臓に原因があったなんて〜


かなり無駄な事をしてたらしいみかである。


「座薬使った?」


へっ?


み止めの座薬だよっ」


使ってません


「あれは効くからね〜出しとくから使って、ともかくみを減らそう!」





座薬!


マジかよ〜



このみが少し減るためなら仕方ないけど…


子供がbabyん時に高熱を出して、何度か解熱の座薬を入れた事はあった。


まさか自分がお世話になるとは…


この時は、数えるほどしか使わなかった座薬も、


約半年後にヘルニア闘病で





“ご愛用の一品”





となるとは思いもしてなかったが…


「病室戻っていいよ〜」


体を引きずるように点滴コロコロに寄りかかり


座薬〜


座薬〜


と、つぶやき病室へ戻った。







いい病院


レベル


★★★★★





病室に戻るとすぐ、看護婦さんがやってきた。


まずは、点滴はずっと入れたままだからズレないように固定。


次にとうとう座薬を入れられた。


若くて、かわいらしい看護婦さん。


その手際の良さに、感心していた。


神業で入れてもらった点滴も調子良く流れていた。


この病院はなかなかいいかも〜





病院からの連絡を受け、会社の人が来てくれたのは、それから間もなくの事だった。


事務の係長で40半ばのH川さん。


独身で地味なタイプの彼女とは必要以上の会話をした事がなかった。





「大丈夫?」


はぁ〜


何とか生きてます。


今わかった事を説明した。


「着替えとかどうするの?」





そうなんだ


誰かに持って来てもらわなくちゃ…


美希に頼むから


子会社で以前働いていた美希。


美希パパはみかの会社の総務次長。


だから、美希の事も、みかと仲良しだと言う事も有名だった。


「じゃぁ、美希さんが来るまでに必要な物を用意するね。」


お願いします。





渡る世間は鬼ばかりじゃないな〜


しみじみ思うみかだった。


美希と子供へ電話してくれるようお願いした。







メール


感謝レベル


★★★★★





病院内での携帯電話及びPHSの使用はご遠慮下さい。


いけない事だけど、


みかは携帯の電源を切らずマナーモードにしていた。


携帯を見ると……


朝のわけわかんない電話から連絡なくて、


心配して美希からメールや着信が何度もあった。


全部読む余裕もなく、看護婦さんが来ないうちに…





入院したから


腎結石





あと病院の名前を送信した。


忙しい仕事の最中だろうに、携帯をずっと気にしてたのだろう。





わかった。


トーイ連れて今日行くからね。





すぐに返事が来た。


トーイというのは、みかの息子。


それから、


少しは座薬の効果が出てきたのか、みに慣れてきたのか、


午前中よりはマシな気分で脂汗を流し続けていた。


看護婦さんが入院案内と申し込み書を持ってきて、説明をしてくれた。


かわいいだけじゃなく愛想もいい。


そこへ買い物からH川さんが戻った。


パジャマ、タオル、バスタオル、ティッシュを買ってきてくれた。


入院案内を見て


「おはしやコップ、洗面道具もいるわね。」


また買い出しに行ってくれた。





感謝の気持ちでいっぱいのみかだった。







ケースワーカー


レベル


★★★★★





ずっと寒かったのが暑くなってきた。


熱が出始めた。


38.5°ほどだったと思う。


点滴をしているので看護婦さんに手伝ってもらい、


H川さんが買ってきてくれたパジャマに着替えて、


ピンク色のタオルで汗をふいていた。





みかはピンクフェチ。





林家パー子みたく服までピンクにはしないが小物などでピンクがあればピンクを選ぶ。 結構、


それも有名だったりするのでピンクのタオルにしてくれたんだろう。


またまた感謝だ。





そんな時に…


トントン


「失礼します」


白衣を着た中年の男の人が入ってきた。


泌尿器科の先生かしら?


手には何やらパンフレットを持っていた。


「みかさんですね?」


はい


「看護婦さんの方から依頼があって参りました。ケースワーカーの○○です。」


あぁ〜


はい


それから、家族構成などを話した。


色々と込み入った話もした。


「どなたもお子さんの面倒がみれないとなると


ヘルパーを派遣させるか施設に預けるしかないですね。」


手に持っていたパンフはヘルパー斡旋と施設の入所案内書だったのだ。







施設


レベル


★★★★★





ヘルパーの斡旋。


話はそこから始まった。


家事を代行してもらえるシステムで、


時給換算で代金を支払うしくみだそうだ。


ただ、


子供が見ず知らずの人が家の中に入り、


作った物を食べるかだとか、


代金も安いわけではないという問題もある。


息子は大人に媚びる事をしない。


知らない人が見れば、何て無愛想な子供なのだろうと思うだろう。


しかも当時中学2年生の反抗期+思春期真っ盛りでんがな〜


難しいなぁ〜と思った。


ヘルパーが無理となると残る選択は施設。


説明が始まった。


施設と言えばタイガーマスクの


『ちびっこハウス』


だったかが思い浮かんできた。


親がいるのに、施設に預けるなんて絶対にいやだ


ケースワーカーは穏やかに話をしてくれていたけど、みかは…





いやだ





いやだ





いやだ





いやだ





いやだ






いやなもんはいやだぁぁぁぁぁ〜





ひたすら、頭の中にこだましていた。


何で病気になんかなっちゃったのよ〜


くやしくて


くやしくて


くやしくて


こんな時だけ現れる神様を恨む気持ちになっていた。










レベル


★★★★★





ケースワーカーは、


困った人の力になるために知恵を授けに来てくれたのだろうが、


その選択はみかにとって悲し過ぎる。


みかが元気になるまでならと、物は考えようだったのかもしれないが、


ただでさえくてうなってる時だ


そんな気持ちのゆとりが持てるわけもなかったのだ。


親切に説明を続けてるケースワーカーの話の途中で…





もういいです


何とかしますから





どこにも根拠のない一言である。


何とかするって、どうするの?


そんな質問がきたら………


そこまで考えもせずに、口走っていた。


当たり前だが、質問された。





何とかって?


何とかに決まってるじゃ〜ん





…といつもしてるように返しても駄目だろうと感じたので、


一応嘘をついてみた。





頼める人がいるのを思い出しました。





そうそう


うんうん


あの人がいるわ





あの人って、誰なんだろう…


みかが聞きたいくらいさ。





嘘つくのが超下手くそだという事をある時期から知ったので、


都合の悪い事は言わない事にしているみか。


怪しいと思われても仕方なかった。







疑惑


興奮レベル


★★★★★





「大丈夫ですか?」





ケースワーカーは、みかの怪し気な言動に疑惑を抱いたのだろう。


義務教育中の児童を保護しなくてはいけないというケースワーカーの正義感。


つっこまれたが、言っちまったもんは何とかしちゃうのがみかなわけだ。


いつしか営業で鍛えた





“なめらかなトーク"





が始まっていた。


それでも、心配そうにしてくれていた。


わざわざ来てくれたが、この提案に


『のった


とは口が裂けても言えなかった。


ケースワーカーは





「何かあったら相談にのりますから、また呼んでください。」





そう言って部屋を出て行った。


せっかく持って来てくれた案内書をみつめて、


ぐちゃぐちゃにしてゴミ箱に捨てた。


熱が出て熱くなってるのに、興奮して余計に熱くなっていた。





ふっ〜





病院の白い壁が冷たく感じられた。







性格


レベル


★★★★★





さぁ〜


どうしよう


1年前、2泊3日で横浜へ出張があった。


その時も、ちゃんとできたじゃん


今度だって…


そう思いつつも、心配するなと言われても、してしまうのが親心。


あれこれ考えて胸もい時に看護婦さんが来た。





「みかさん。ちょっとお話聞かせてください。」





何が始まるのだろうか…





入院においての患者のメンタル面のケアも、ここ最近は充実しているようで、


様々な事を聞かれた。


アレルギーの有無や自分を含めた


親族の病歴、


酒・煙草の習慣や


食事の嗜好、


お風呂に週何回入るかだとか、


シャンプーの回数、


宗教について、


趣味や特技、


悩み、


性格も…






みかの性格





明るい


落ち込む時は一時的に地ベタをはいまわるけど、はいあがるのも早い。





そうだよ〜


今までだってピンチは何度もあった


くよくよした事もあったけど、何とかなったじゃん♪


そこには支えてくれた友達がいたし〜


今回だって、絶対平気さ


看護婦さんに話しながら、早く治してやるぅ


病気になんか負けてたまるかってんだ


しかも、たかが石なんかに〜


必死なみかだった。







担当医登場


レベル


★★★★★





「最後に入院に際して困ってる事や悩みがありますか?」


子供が心配なので、早く治して退院したい。


この言葉をまさかまさか、


4ケ月後に繰り返す未来があるとは、思うわけもないみかだった。


「明日は泌尿器科の先生が診察しますからね。


後から病室に来ると思いますよ。」


はい


みかがいる病室は旧館のようで、造りが古い


薄暗い部屋だった。


何となく日が暮れてきたかなぁ〜


そんな時間に…


トントン


「やぁどうですか?」


へ?


何ともひょーきんな先生がやってきた〜


背がひょろっと高くて、かなり痩せている。


ズボンは病院から支給されているらしき白いズボン。


それが寸足らず状態だった。


みは?」


いです。


「熱出てきたのかぁ」


カルテを見ながら、怒り出した。


「なんで抗生剤やってないんだ


えーと


みかに言われても…


先生が看護婦を呼び指示していた。


年の頃は30になってんのかな?


ってくらい若い先生だが熱血感あふれてる様子だった。 担当の


“きむりん"


は会議という事で詳しい診察は翌日に〜と慌ただしく出て行った。







抗生剤


レベル


★★☆☆☆





きむりんの指示で抗生剤の点滴をする事になった。


稀にアレルギー反応が起きるため、皮下に注射をしテストをする。


左手は点滴で塞がれているので、右手の腕の内側にした。


ツベルクリン反応を見るようなものだ。


2ケ所に、片方は抗生剤と、もう片方は生理食塩水を注射。


それで、抗生剤を打った方が赤く大きく腫れれば、


その抗生剤は使用不可となる。


合わないという事らしい。


一瞬ではあるが、これはい注射の仲間だ


まっ、


くない注射なんかないんだけど、針を射した時より、


液が皮脂に入ってくる時が〜





うおっ〜





ほんのわずかな時間だけどいのだ。


「反応を15分後に見に来ますね。」


看護婦さんが15分後見に来たが…


みかはアレルギー体質である。


プラス皮膚が弱く、新陳代謝も悪いのか、


アルコールで消毒して皮膚に摩擦が加わった部分が赤くなっている。


「うわぁ〜アルコール駄目だな〜」


「お酒弱い人?」


酒好き


顔は赤くなるけど〜


そんなに弱くはないと思うよ。








「ごめんもう1回やらせて





マジすか?








うおっ〜再びっのみかであった…







抗生剤再びっ


レベル


★★☆☆☆





次はアルコールじゃなく、違う物で消毒。


違う物ってのが何だかは、みかもわからんちん。


そして…


うおっ〜


再びっ…


それも、抗生剤と生理食塩水の2つなわけだ。


もしも、これで抗生剤が合わなかったら、


違う抗生剤をテストするのよね………


そう思うとちびまる子ちゃんが


タラっ〜


と一汗かいてる絵がみかの心境だった。


15分経過〜


反応はっ


注射針が射される→肌に刺激を感じる→赤く腫れる=みかの体質。


この反応を見るには、やっかいな体なのだ。


看護婦さんも、一人では判断できないらしく、他の看護婦さんを呼んできた。


それでも判断に困ってる様子。


あの〜


私、例えば忘れないようにボールペンで手に書くと、


そこが腫れてインク消えても字が読めるんだけど…


「そうなんだぁ〜」


「じゃぁ、平気かもね〜」


「抗生剤入れて、かゆくなったり、気分悪くなったら、すぐ呼んでね


そして、


いちかばちかの抗生剤を点滴のジョイントに繋げた。


結局、何て事なく無事に抗生剤は投与されていった。


安全の為とは言え、


うおっ〜


は1回にして欲しかった…







再会


うるうるレベル


★★★★★





看護婦さんの話だと、石さえ出れば退院できるという話だった。





出〜てこいっ





祈らずにはいられないみかだった。


そこへ、みかの会社の部長がやってきた。





「どうだ〜」





細い目を更になくして微笑む部長。


派遣社員で事務をしていたみかを引き抜き


会社初の女の営業にしてくれた恩人である。





「お前がおらんとな〜事務所が葬式みたいでいかんのだわ。子供の事もあるし、早く元気になれ





部長が帰り、陽もとっぷり暮れた頃…





「来たぞ〜」





美希がトーイを連れてやって来た


今朝も顔を見たのに、すっごく長い間会わずにいた親子の再会の気分で、


うるった。


病院の場所がわかんなかったから、


みかの会社に寄って、コンちゃんに先導してきてもらったというのが美希らしい。


パジャマや下着に化粧水なども、勝手知ったるみか御殿。


もしも、みかに何かあったら…と


生命保険の話も美希にはしていた。


その話をした時、美希は怒ったけど、


万が一だし、みかが簡単にくたばるわけないじゃん


って言ってたが〜


まさか、まさかの緊急入院。


美希が女神様のように感じた。







くっそ〜


うるうるレベル


★★★★★





先導してくれたコンちゃんに、明日のビッグイベントの件を心からお願いした。


新規を取っても、実績が伸びなければ意味がない。


そのためにも、明日はスーパーのバイヤーと親しくなるチャンスだった。


こうなった以上、くやしいけど、お任せするしかないのだ…


美希とコンちゃんが席を外してくれて、トーイと二人になった。





ごめんね〜


早く治して帰るから


トーイ一人になっちゃうけど、頑張れるよね?





「うん」





顔を見ただけでも涙が出そう。


これ以上言葉を出すと泣けてきそうで…


ここで、みかが泣いたらトーイが余計不安になってしまう。


ひたすら、いのも我慢して笑った。


平気だよって顔を作ったつもりだった。


それでも、トーイは心配そうな顔をしてたっけ…





くっそ〜


こんなとこで寝てたくなぁぁぁぁぁい





くっそ〜


このままトーイと家に帰りた〜い





食事は、コンビニでもスーパーでも行って買って食べるようにと、


お財布の中にあったお金を渡した。


一人で食べる食事は、おいしくもないだろうな…





くっそ〜


くやしいよぉぉぉぉぉ〜





心の中は涙で溢れてた。







親心


号泣レベル


★★★★★





行きも帰りも、美希の車の中でト-イは黙ったままだったそうだ。


大人には口数の少ないトーイ。


美希はトーイの気持ちも察して、敢えて話掛けず、


トーイの好きなポルノグラフティのCDを流してくれてたそうだ。


みかが帰りにコンビニに寄って、明日の朝食べる物を買ってやってと頼んだ。


美希がいろんな物を買ってくれたらしい。


家に着いて、トーイからメールが来た。


一応、みかの両親へ電話しておいてとトーイに頼んだ。


何度か、メールのやりとりをした最後に…





トーイがんばってね


早く帰るからね





みかの送った文章は確かこんなだったと思う。


その返事は…





わかった


がんばる





短い文だったけど、これだけは一生忘れられない。


これを見た瞬間に、我慢していた涙が次から次へと出てきた。


今、これを書いている時でも泣けてしまうくらい…


親の勝手で子供を作り、親の勝手で片親にした。


子供は文句も言えず、その運命に従うしかない。


だから余計に、余分な苦労なんてさせたくなかった。


元気な時には感じる事のできない気持ちが生まれていた。







励み


思い出レベル


★★★★★





みかが落ち込む事があった時の事、


トーイには悟られないように泣いてた事があった。


でも、狭いながらも楽しいみか御殿。


ひとつ屋根の下に住んでいたら、わかってしまうのも無理のない事。


そんなある日、


みかの部屋のローチェストの上に並べてある本が2冊から3冊に増えていた。


よく見ると、トーイの小学校ん時の教科書だ。


みかの時代から変わらない、その教科書の題名。


他の市町村はどうなのかわからないが、


名古屋市で使用している


“道徳"


の教科書は…





『明るい人生』





また心配かけちゃった。


情けないママだなって思いながらも、頑張らなきゃって泣いた事もあった。





会社で辞めてやりたいほどムカついた時は…


「7階まで行って、ムカついた人の名前言って、





バカヤロー





って叫んできて〜んすっきりするよ」


当時は7階建ての集合住宅に住んでいた。


そんな事を言われて、思わず笑ったっけ。





いつもそうだった。


トーイがいてくれたから、こんなどうしようもないみかも頑張ってこれた。





今度だって





もう泣いてなんかいられない。


くて眠れない夜をそんな思いで過ごしていた。







初夜


燃える闘魂レベル


★★★★★





昼間に比べたら、幾分みも治まった。


朝から何も食べていない。


水分だけは、たくさん取るようにって、


お茶をガブガブ飲んだだけ…


少し余裕も出てきたので、


ちょっとお腹ぺこりんだなっ〜なんて思った。


人間の欲求は、面白いもんだ。


の最中は、このみさえなくなればいいとさえ思うのに、


その欲求が満たされれば、次なる欲求が生まれてくるのだから…


気持ちに余裕ができた時〜


はっ


とした〜


ちかちゃんに連絡しなくちゃ


ジョイントライブまで、2週間を切っていた。


何とかして、ライブしたい


更なる欲求の誕生だ


これは、何としても早く退院しなくては〜


うるうるもふっ飛び、





闘志のようなものがみなぎってきたぁぁぁ





しかし、


こんな状況でライブの事を考えてるみかって、





マジ音楽バカなのだろう。





入院の連絡メールをしたちかちゃんからは、当たり前だが…





『無理はしないでライブはいつでもやれる


しかし、その続きは…





『…と言って聞くみかちゃんじゃないわね(笑)早く出てこい


と、オチていた〜


さすが、みかの友達っ♪





頑張るんばっ







欲求


レベル


★★☆☆☆





昨夜も腹で、眠れなかった。


かなりのねむねむモード。





うとうと…





とはするものの、


まだ熟睡するほどみは治まっていなかった。


それと、点滴と水分補給で、


やたらとトイレが近い〜


プラス、みかの病室はトイレの真横


トイレまでの距離が近いのはありがたいが、トイレに誰か来る度に物音がする〜


枕も違えば、なおさら眠れないわけだ。


発熱のため、汗は出るし〜


今度は、お風呂に入りたくなっていた…


何とも、貪欲なみかだ事。


うとうとしてるうちに朝がやってきた。


朝になった頃には、昨日一日のみが嘘のよう


熱はあるものの、元気っぽい気分になっていた。


そして、待ちに待った食事〜


最初の病院食は何かしらっ♪


運ばれてきた食事は…………





5分粥だった〜











これだけっスか?





それでも、食べられるだけありがたいさっ♪


口にした瞬間、ありがたさが消えた。





味なし





しかも、はししか用意してなかった。


1/3も食べずに、お残ししちゃった。





あぁぁぁぁ〜


好きな物をたらふく食べた〜い








やさしさ


レベル


★★☆☆☆





今日は、接待の日…


くやしいなぁ〜


昨日に比べたら、天と地の差ほど、いのはぼやけていた。


それでも、と言えるみではあった。


ちょっと仕事の事など考えながら、ぽけたんとしていたら、


看護婦じゃなくヘルパーさんらしき人がやって来た。








「みかさん、外来で今から診察しますからね〜」








車いすに乗せられ、外来まで連れてってもらった。


昨日はくて、回りを見る余裕などなかった。


みかの病室のある南館から本館まで、迷路のように長い道のり〜


途中、外気が入り寒い通路では、バスタオルをかけてくれて通った。


外来診察室に着いた。


やさしくしてもらう度、ありがとうの気持ちがあふれだす。





「ここで呼ばれるまで、待っててね。





くない?





座ってられる?」





はい。





「終わったら迎えに来るからね〜」





ありがとう…





人のやさしさをこれほどかみしめられるのも、病気になんなきゃわかんなかった。


悪い事ばっかじゃないさ♪


泌尿器科の待合は、中年より上の男の人ばかりだった。


ふたつの診察室があり、片方に今日の担当医は“きむりん"と書いてあった。







6mm


レベル


★★☆☆☆





「みかさ〜ん」





はい





5分後くらいに呼ばれて、診察室の中へ入った。


きむりんが昨日撮したレントゲンを眺めていた。





「おはようございますみはどう?」


昨日よりはマシになりました。


「ここにある〜ほらねっ


定規を取り出し、計っているきむりん。


そこには小さな黒い物体があった。





「尿管結石だね





そうなんだぁ…


(かっこ悪い病名だわ…)





「6mmかぁ〜そんなに大きいわけじゃないけどな〜」


それから、またエコーを見た。


腎臓というのは、レントゲンでは写らない臓器だそうだ。


「この位の大きさなら、自然に出る事もあるんだけどね〜」


そうなんだ…


(でも、そう…)


「腎臓がかなりダメージ受けてるから、早く出してやらないと、腎盂炎になりかけてるからね〜」





腎盂炎???





「明日、破砕しよう〜いいねっ





はぁ〜





きむりんのペースで、ぽんぽんと話は進み〜


明日、破砕という事になった。


昔なら、体を切り刻み、石を取り出す事しかできなかったが、


医学の進歩は素晴らしい








"体外破砕術"







ポスター


おバカレベル


★★★★★





体外破砕術というのは、字の如く…


体外から衝撃を与えて石を粉々にしてしまう術式なのだ


みかのような尿管結石や腎結石、胆石などに用いられている。


これで石が割れて、経過を診て2日後には退院できると聞き〜








さっさとやっておくんなまし








そう期待に胸ふくらませていた。





その日の昼下がり…


3月10日にジョイントライブをする事になってる


Toothpicksのギタリストちかちゃんがお見舞いに来てくれた





「みかちゃん生きてるかぁいっ♪」





あぁ、ちかちゃん





キティちゃん好きのみかに、キティのかわいい手提げ袋に入った飴ちゃんと…


何やらデカい物を持ってるぞっ〜





?????





なんと、それはジョイントライブのポスターだった





「これを見て早く元気になってよ





やると言い出したら、何が何でもやるみか


少しでも励みになるようにと、みかの目につく場所にポスターを貼ってくれたのだ〜


やる気が漲ってきたみかだが、微熱は下がらず…


腎臓が悲鳴を上げたままだった。








何としてもライブする








ここまでくると…


ただのバカだろうと今は思うみかである。




破砕のいろは


レベル


★☆☆☆☆





ちかちゃんが帰り、続いてきむりんが





"体外破砕術"





についての説明にやってきた。





「やぁ





いつもながら、ユニークな登場の仕方である。





「明日の破砕について、説明するね





はいっ





「麻酔はしません。


みは多少あるかもしれないから、もしも途中で耐えられなかったら、


遠慮なく言ってください。」





はい





「明日は急遽なんで、×○先生がしてくれますからね。」





えっ?


先生じゃないんだぁ〜





「はい。残念なんだけど、明日は×○先生なんだよね〜でも、大丈夫だから頑張りましょう





はい





「みかさんの石の大きさなら、うまく当たれば簡単に割れるから♪」





はい♪


早く退院したいんで、よろしくお願いします





ちらちら、きむりんは派手なジョイントポスターを見ながら語っていた。


最後に説明を聞いて、この処置に同意するという署名・捺印をした。


先生の指示は、水分を大量に取ってくださいという事だった。


このくらいから、みも楽になってきていた。


明日になれば、もっと楽になれると信じて、


夕食の七分粥をいただくみかだった…










感激レベル


★★★★★





病院の夜、2日目…


昼間は微熱程度が、夜になると熱も上がってくる。





水分、水分〜





ちかちゃんが買ってくれたペットボトルのお茶を飲んで、


暇つぶしにテレビなんか見ていた。





トーイはご飯食べただろうか…





いつも気になるのは、やはり一人でいる息子の事だった。


そして、仕事の方は行けなかった接待の真っ最中だろう。





うまくいってるだろうか…





ついつい、一人になると物悲しくなってしまいがちで…








明日は破砕だもん





頑張らなきゃ









そんなとこへ…


「おっす生きてるかぁ〜」


みき〜♪


みきが来てくれた。


「えぇもん持ってきたぞ


???


「どうだぁ〜?」


この当時大好きだった人が来てくれたんです。


仕事がハードで休みがない。


お見舞いになんて来てもらえないと思ってた。


この日は夜勤…


休み取ってまで来てくれた事が、みかには嬉しかった。


仕事に、


ママに、


なんちゃってパパをしてても、


この人の前だとホッとできて、


ただの女でいられる一瞬だったから。


残念ながら、この8月には会えなくなっちゃいましたが…







造影剤


レベル


★☆☆☆☆





面会時間を過ぎ、消灯時間まで二人は居てくれた。


心細い一人の夜が少し癒やされた。


水分をたくさん取らないとなんないって言うと、


お茶を山ほど買ってきてくれた。


熱はあるものの、この日は眠る事ができた。


夜中になると、さすがにお腹が減ってくる。


お粥と少しのおかず、それも油物は一切なしだったからだろう。





お腹ぺこりんだな…





空腹は、お茶でカバーしていた。


点滴もあるので、トイレには頻繁に行っていた。








朝になり、熱も下がったので、点滴が外れた。


そして、造影剤を入れての腎臓のレントゲン撮影。


朝食は延食となった。


延食とは、字の如く食事が延びる…





つまり、あ〜と〜でって事だ。





お腹は背中とくっつきそうなのに、食事が延びるのは、かなり辛い。


2日前のは嘘のよう


自分で歩いて放射線科へ行った。


名前を呼ばれて中に入り、ガラスが張ってあるよな感じの台に寝て、まずは1枚。


続いて造影剤を注射されて、待つ事20分〜


ベットが斜めに傾き、造影剤が落ちて行くのを写すんだろう。


ミエロとは違い、こちらは普通の注射のみだけであった。







探検隊


冒険レベル


★★★☆☆





レントゲン終了


病室へ戻る前に、病院を探検〜


のんきというのか…


簡単ではあるけどオペが午後からあるってのに…


そして、売店を発見してしまった♪





お菓子命のみか





破砕が終わったら食べようとおやつを物色。


病院にしかないのかも…


(そんなわけない)


チョコボールのおまけ付きを発見


カタカタ振って、おまけを確かめる。


昔、グリコのキャラメルを買う時も、いつも振っていた…


振っておまけがわかるなら苦労しないのに、なぜか振ってみたくなる。


チョコボールをゲットして、にこにこと病室に戻る途中〜





あ゛っ〜〜〜





おっかさん看護婦と偶然遭遇


ちゃんと覚えててくれた。


ある意味、忘れられなかったのかも…





「どこが悪いかわかった?」





うん


尿管結石だった。


今日、破砕するの。





「良かったね〜 心配してたよ〜 原因がわかったら大丈夫 石だったのかね〜


そりゃ、いはずだね 頑張るんだよ





10年振りに友達と会ったように、手を取り合って話していた。





最後に…


ありがとうございましたとお礼を言って、深々と頭を下げたみかだった。







破砕の部屋


ドキドキレベル


★★★★★





病室に戻り、延食となっていた朝食をいただいた。


昼食は絶食で、午後からいよいよ破砕だ。


初体験をする時は、どんな事でもドキドキしがち。


ましてや、みを伴うらしき事。


早く終われと始まる前から思った。


破砕の部屋へ看護婦さんに連れてってもらいながら探りを入れた。





どのくらいかかるんですか?





「だいたい30分位かな。長くても1時間。」


わりと早く終わるんだ♪


(なぁんだっアッという間じゃん)


「うまく石に当たれば、早いみたいね。」


いのかな…


「人によって、全然くないって人もいるし、くて麻酔してやる人もいるけど、


麻酔するほどいって人は少ないから、心配ないよ。」





大した事なさげ〜


ホッとしたみかは、破砕の部屋に到着。


放射線を当てて、石の場所を確認しながら狙いを定めて、衝撃波を当てる。


破砕の部屋は放射線科にあった。


大きな機械とベットがあり、ガラス張りで部屋が区切られていて、


ガラスの向こう側で先生が操作をするのだ。


「名前と生年月日をお願いします」





みか


8月X日





いよいよ始まるんだ。





ドキドキ…







破砕開始


レベル


★★★★☆





うつぶせになって寝る。


ちょうど下腹部、石のある部分のベットがスライドして、


お腹ら辺は空中状態となった。


腕には血圧を計るのが巻かれた。


「では始めますね〜」


いよいよだわっ


さっさと終わらせてちょうだいっ


みが我慢できなかったり、気分が悪くなったら手を上げて知らせてください。」


はい








パチン








パチン








パチン









石と石をぶつけてるような音がする度、体に衝撃があった。


最初は、大した事なかった。


最初はね…


回りを見ると、ななめ前方に“パチン"と音がするごとに、


赤い数字が1つずつ増えていっている機械を発見


これって衝撃波の回数なんだぁ〜


余裕で、その数字を眺めていた。


20回すると10秒ほどの小休止。


いったい何回やるのだろう?


素朴な疑問を持った。


50回を越した頃からだった。


衝撃が強く、内蔵までつきぬけてくような感覚で、


それはいという感覚に変わった。


もうすぐ終わるんだし、我慢しよう











200回になった…


看護婦さんが来た。


「大丈夫ですか?」


無言でうなずく…


必死に耐えるみかだった。





.cgi" accesskey="3">黎次

破砕開始


レベル


★★★★☆





パチン











パチン











パチン





いてぇ〜









いったい


いつまで


続くんだよぉ〜


パチンと音がして、ズキンとくる。


「くるっ…」って思うと、体中に力が入りまくる。


またまた脂汗がじんわぁ〜り。


20回に1度ある、ほんの短い小休止も、短すぎて休みにもなんない。


いよ〜


それでも、この後には退院が待ってると思うから、我慢しまくりっ


300


もう終わっていいよ〜


400…


もう1時間なんか、とうに過ぎてるよ〜


500…


500で音が止まった。


……終わったの…か…な?


ガラスの向こう側に居た先生がやって来た。


「これ以上はやめときます。」


へっ?


(どういう意味さ〜?)


「石に当たってはいたけど、割れた感じがしないんです。」


はぁっ?


嘘でしょ〜





あんなに我慢したのにぃぃぃ〜





そりゃないよぉぉぉ



「当たってはいるし、今日割れなくても、明日割れて出てくる人もいるから


マジで?


もっと簡単にできるって感じだったのに、がっかり…





500回の衝撃。





約1時間半。


それはそれはかった…


ぐすんっ







トイレ


ドキドキレベル


★★★★★





病棟の看護婦さんが迎えに来てくれて、車イスで病室に戻った。


「長くかかったね〜」





割れなかったんだって…


「えっ?そうなの?」


うん


看護婦さんも、かける言葉を一瞬見失っていた。


病室に帰り、点滴をした。


しばらく安静にという事だった。


水分もたくさんとって、先生が言ってた


『明日になれば出てくる人』


になろうとした。


石が出ますようにと祈る気持ちでトイレへ行った。


尿管結石がわかってから、尿は全量ためるのだ。


プラスチックの容器にして、壺型の容器に移す。


その時、石が出ていたら底に残る。


容器には名前がシールで貼ってあり、なかなか恥ずかしいものだ。


この時は、消化器内科の病棟にいたので、泌尿器科のトイレは知らずに済んでいた。


破砕後の初トイレ。


いつものようにプラスチックの容器にした。





…………真っ赤





ドキドキしながら、トイレについているナースコールを押していた。


「どうしました〜?」


これ………


「あぁ…


破砕の後は血尿が出たりするからね〜」


真っ赤な血尿…





その夜の戦いへのファンファーレだったのだ。







再襲


レベル


★★★★★





夕方、ぼんやり寝ていると、お得意先の常務がやってきた。





すっぴん…





パジャマ姿…





見られてしまった〜





前日のスーパーバイヤー接待にこぎつけるため、


新商品を入れてもらうために、力を貸してくれた人。


接待はうまくいったという事で、ほっとしたみかは、バカ話をしながら楽しく過ごした。


その後、担当医きむりんがいつものように…


「やぁ


と、やってきた。


「いまいちだったみたい。かなり強い衝撃与えたらしいから、かったでしょう?」


先生、いってもんじゃないよ〜





「今は?」





何ともないよっ





「明日、またレントゲンで見て、次を考えていこうね。」


はい…


少々、重苦しい雰囲気ではあったが、きむりんは前向きに治そうとしてくれていた。


担当医に恵まれたなって思った。


また、七分粥を食べて消灯を向かえ、メールで


『石は割れなかった』


と息子と友達に報告。


みかに似て頑固なのよ…


そんな返事がきた。


ん?





じわじわ…





っ…





じわじわ





い〜





じわじわ





嘘でしょぉぉぉぉぉ





の始まりだった…







真夜中の戦い


レベル


★★★★★





ドキドキ





ドキドキ





ドキドキ









みがじわじわと始まると、なぜドキドキするのだろう。


死ぬほどの病気ではないけれど、








やはり怖い。








いつナースコールを押そうか…


ひょっとしたら、治まるかも…


そんな期待は儚く崩れ去り、みはどんどん増していき〜


入院初日のみと同じ、それ以上だったかもしれない。


耐え兼ねて、ナースコールを押した。


「どうしました?」








い…








苦しむみかを見て、看護婦さんも慌てた。


「すぐみ止め打つね








うん…








まずは、点滴にみ止めを入れた。


全く効果なし。


更に、みが波もなく襲ってきて、ベットの上でもがいた。


信じらんない…


何で、またいのよぉ〜


脂汗。


泣きたいわけでもないのに涙。


タオルで汗を拭きながら…





ぐぉぉぉぉぉ〜





って叫びたい気分。


30分くらいしても、は変わらず…


またナースコールを押した。


「どうしました?」


全然、みが治まらない。


「まだ、さっきのみ止めして時間が経ってないから、次ができないの。」


…と言いつつ、みかの姿を見て看護婦さんは消えた。







鎮痛剤2番手


レベル


★★★★★





看護婦さ〜ん





冷たいよぉ〜





くすんって、いじけながら、もがき苦しむみかだった。








5分ほどして、看護婦さんが戻ってきた。


「相当いね〜」








かなり…








隣のおばぁちゃんを起こさないように会話していた。


「今度は効くと思うから


看護婦さんは、注射の準備をしに行ったのだった。


でも、待てよ〜


初日の事を思い出せ


何が効果あった?





◎ざ◎や◎く◎





あの日も、おっかさん看護婦が色々してくれた。


しか〜し


苦労のわりには、どれも効果は今ひとつ。


病室に来て、してもらった座薬◎


これが一番だったのだ。


その事をコチョコチョ声で看護婦さんに伝えた。


だが、先生からの指示でカルテには、みの処置で出す薬が書いてあるそうだ。


多分、薬の弱い順になってるんだろう。


強い薬は効く分、副作用なんかもあるんだろうし、


剤というのは実際にいのを麻痺させるわけだから、


体にいい物とも思えない。


点滴に入れた鎮剤の次は、筋肉注射。


腕をまくり、針をぶっ刺された。


い注射も、このみに比べたら、何でもなかった。





効いてくれ〜







これぞ激痛病棟


レベル


★★★★★





筋肉注射の鎮剤。


果たして、その効果は…


20分くらいで楽になるという看護婦さんの言葉だった。





なのに…





どうして…





こんなにいの?





い〜





い〜





い〜








悲しい〜





悲しい〜





悲しい〜








寝たい〜





寝たい〜





寝たい〜








何をどうやったって、は変わらず。


もうちょっとしたら効いてくるはず


そう信じて待ってても、ひたすらのだぁ〜


ナースコールを押すまでには、何度もためらいがある。


忙しい看護婦さんを呼ぶわけだから、究極まで我慢をしてはみた。





1時間。





これを過ぎても変わらなかったら、ナースコールしようと自分の中で決めた。


どんなに待っても、みの緩和はない。


そして、ナースコール。


「どうしました?」


…と普通なら聞いてくるが、看護婦さんも察するわけで〜


「だめみたい?」





うん…





み変わらないってより、ひどくなってる。


「さっきの薬は、かなり強いんだけどね。もう30分だけ我慢してそしたら次の薬使うから。」





わかった





この30分の長い事。


カップラーメンができるのだけ待つ3分が長いのと同じだ。







アレ


レベル


★★★★★





体が熱いのも感じていたので、熱を計ってもらうと38度を超えていた。


剤には解熱作用もある物が多いが


ヘルニアの時も思ったがみがひどいと鎮剤なんてのは無意味なのだ。


引き続き、もがき苦しむ中、やっとの思いで30分経過…


ナースコール押そうかな〜って思ったところへ看護婦さんが来てくれた。


「治まらない?」








うん…








そして、またまたアレのお世話になった。





そう…座薬さん。





座薬の鎮剤というのは


特に下半身系のみに効果があるとか看護婦さんが言っていた。


座薬をして、30分ほどしたら、少しはみも我慢できる程度になった。


眠れるまでのみになったのは、朝方だった。


トイレに行けば、まだ若干血尿ですって感じだった。


少し眠れて、起きた時には、みも軽くなり〜


汗だくになったパジャマを着替えた。


そこへ、レントゲンを撮ってくるようにと看護婦さんに言われ


ひょこひょこと放射線科へ行った。


撮り終えたら、きむりんの診察。





石は、しっかり


くっきりと写っていた。






また定規を出して計ると5mmになっていた。


ほんのカケラが割れたらしかった。







頑固


ウキウキレベル


★★★★★





「そんなに大きな石でもないのに、かなり堅いみたいだね。」


先生〜


そういうのって、本人に似るのかな?


かなり頑固なもんだから…


真剣に話すみかに、先生は爆笑しながら…


「みかさんは頑固なんだぁ〜」





うん


かなりねっ






ちょっとエバってみた。


「さぁ、どうしよっか〜」


どうしようね〜


(これが先生と患者の会話かしら…)





「来週、もう一回やらない?」





えっ〜





それまで入院してんの?


「だめ?」


先生


子供の事も気になるし〜


仕事も気になるし〜


お願いだから、一回退院させて


「でも、早く出してあげないと腎臓がね〜」


わかってる


3/11には、準備万端で入院するから


「う〜ん…ただ約束して欲しいのは発熱があったら、救急車呼んでも来てよ


うん


約束するよ


「取りあえず、明日退院ね。」


満面の笑みのみか〜♪


それを見た先生は…


「ホントに、熱出たら来てよ


先生ったらぁ〜


平気だよ〜ん


約1週間後の再入院を約束し





シャバへ帰る事となったみかは浮かれポンチキだった。







なんちゃって退院


ウキウキレベル


★★★★★





きゃっほほ〜


退院〜♪


なぜ3/11に再入院…


答えは、ただひとつ〜





ライブ





1週間あれば、仕事も段取りができる。


息子が困らないように、食料の用意もできる。


そして、ライブもして心おきなく療養〜♪


かなり無謀なみかの計画。


だいたい、症状としては石が動けば


熱が出るなら夜。


忘れちゃいけないのは、日に2リットル以上の水分を取り


トイレもこまめに行く事。


完治での退院ではないので、みかにも不安はあるものの


やる事をやっての再入院なら精神的にも楽だろうとは思った。





「時間を作ってきてしっかり治させて





きむりんと約束をした。


翌日…


タクシーで会社まで行き、会社に置き去りの愛車アウディくんに乗り、みか御殿へ〜


ただいまぁ〜


息子は学校に行っているので誰もいないけど、そう言いたかった。





みかの家〜♪


イッエ〜♪


あぁ幸せ…






苦しい思いをした後は、今まで当たり前だと思ってきた事も


ありがたくなり、小さな幸せに変わる。


今夜は、ひもじい思いをさせた息子に腕をふるってご飯を作ろう





何もかもが嬉しかった。







外来


レベル


☆☆☆☆☆





自宅で過ごした間、みは全くなかった。


ただ、体はかなりだるい。


仕事へ行き


みかが休み中にやってもらう事をまとめたり


やれる事は必死でやっていた。


倒れそうだったのは気力で乗り切ってた。


はぁはぁと言いながら、それを会社の人には悟られないようにしていた。


夜になれば、先生が言った通りに熱が上がる。


内服薬の効果か、高熱とまではいかなかったが、38度になるかなってくらいは出ていた。


もしも、高熱が出たら…


美希が夜中でも病院へ走るからと言ってくれていた。


自宅で過ごす4日目。


この日は外来で診察を受ける事になってた。


仕事をほんの少し抜けて、予約時間に受付を済ました。


退院する時の指示で、この日はまた造影剤を入れてのレントゲンもする事になっていた。


それを撮り終えて、待合いで約1時間待った。





「やぁこんにちは〜」





こんにちは〜





「どう?調子は?」





いつもの調子で、きむりんと話してた。





みはないよ〜


夜になると少し熱が出て、だるいくらいかなっ〜


「熱はどのくらい?」





38度弱くらい。





「………」


???







カテーテル


レベル


☆☆☆☆☆





「やっぱり、熱出ちゃったかぁ…」


でも、朝になると下がってるよ〜


(…と言っても平熱までは下がっていなかった。)


「ねぇ〜入院しない?」


きむりん…





ねぇ〜





彼女〜





お茶しない?






みたいな感じで言うから、みか笑いながら…


しな〜い


「でも〜 熱出てるんだよ〜 どうしてもしない?」


だから〜


先生言ったじゃんね


月曜になったら入院するって


まだ仕事も片づいてないし無理


「でも、このままじゃ帰してあげられないんだな〜」


はぁ?


この時に、あまり良くないという事に、やっと気付き始めた。


「どうしても入院できないなら、カテーテル入れるしかないよ。」





カテーテル?





(何よ、それ…)


「レントゲン見ても左の腎臓はほとんど機能してないんだよ。」


それは、素人が見ても簡単にわかる。


「だから、腎臓から膀胱までの人工的なバイパスを作るわけね


体にカテーテルを入れておけば、応急処置はできるからね。」


そうなんだ…


「どうしても、入院できない?」





できない





「じゃぁ、カテーテル入れるしかないね。」







どんより


レベル


★★★☆☆





カテーテルを体に入れる。





緊急事態のように、きむりんは看護婦に指示を出し


処置が何時からできるかを聞いていた。


「先生、2時からできるそうです。」


「みかさん。


2時から、1階の放射線科でカテーテル入れますからね。


ちょっと、お腹すくけど食事はやめてください。


水分はたっぷり取ってください。」


はい。


仕事抜けて来てるんで、時間も少しあるし出直していいですか?


「いいですよ。」


みかは、気が重くなりながら、車に乗った。


この時の気分は『どんより』がビンゴだろう。


上司に電話をして、午後から半休をもらう事にした。


会社へ戻り、簡単に事務の係長に説明をして


広げたままの机を片付けて、半休の届けを書いた。





そろそろ時間だな…


カテーテル入れるって、いのかな〜






どうやってやるんだろう。


午後になり、けだるさも出てきていた。


病院の駐車場へ車を止めて、放射線科を目指した。


いつもの明るいみかは姿形もなく、会社の人にも笑顔のつもりで挨拶したが


ひきつってただろうなぁ…


ドキドキよりも、ひたすらどんよりして、受付を済ませた。







技あり


のんきレベル


★★★★★





この場合のカテーテルとは…


点滴を思い出して下さい。


あの細い管があるでしょう


あのようなものを





腎臓から膀胱までの約40センチほど入れるのです。





みかの結石は、膀胱に近い尿管のところにあり


尿管を塞いでしまって、腎臓から尿が膀胱へ通らなくなっていました。


その代わりをカテーテルでするのです。


ただ、腎臓は左右に2つあるので、排尿も特に困ったわけではないのです。


腎臓は体にいらない排泄物を外へ出す役目をしています。


尿を作る場所。


それが片方つまってしまい、ゴミのようなものが体に残れば、良いわけがないですよね。


そして、薬を飲んでいたにも関わらず、熱が出ていたのだから、炎症が起きていたのです。


それがひどくなると『腎盂炎』となります。


そして、腎臓が壊れてしまえば…


人工透析生活が待っているのです。


先生が慌てるはずでした。


ただ、この時のみかには知識がなくて…








何となく、自分はあまり良い状態じゃないのかも〜








……程度に思っていました。





知らぬが仏。





のんきで頑固なみかだからできてしまった技なのかもしれません。







金属の棒


SOSレベル


★★★★★





放射線科のカテーテルを入れる処置室へ入り、まず着替えをした。


カテーテルを入れるのは尿道から。


産婦人科のように足を乗せる台があるベットに寝て、まずは消毒。


出産経験があるものの、これはとても嫌〜な感じです。


紙か布かわかんないようなもので下半身を覆い


尿道部分だけが見えるように切り取りました。





まるでオペです。





何だか、とんでもない事が始まりそう…





おちつけ〜





おちつけ〜





くありませんように






必死で祈りました。


きっと、すぐ終わるんだ


そう信じずにはいられませんでした。


「麻酔の役目をするゼリーを塗るからね〜」


尿道の回りに、冷たいゼリーが塗られます。


気持ち悪い…


ほんっとに、いやぁ〜な感覚です。


「細いカテーテルを入れるのに、直接入れられないから、太めのコレを入れるよ。ちょっといけど我慢してね。」





コレって……


みかの指の太さはあろう金属の棒。





そんなん入れたらいに決まってるじゃん





まな板の鯉。


もう逃げられません…


でも、叫びたかった。


助けてくれ〜







挿入


レベル


★★★★★





助けてぇぇぇ〜


そうなんです。


みかを助けるために、カテーテルを入れてくれるんですが、そんな事を思えないほど怖かった。


「ちょっと冷たい感じするよ〜」


ひやっとした瞬間…





ぎゃおぉぉぉぉ〜





冷たい感じなんて、どうでもいいから〜


もうやめて〜


始まった途端に、と何とも言えない気持ち悪さに襲われた


先生は画面を見ながら、何やらゴソゴソやっていたので


それには内視鏡がついていたのかもしれない。





「あれ?」


???


「これ壊れてるよ〜」


は?


「一回抜くね〜」


抜かれたところで違和感が残っていて、トイレに行きたいような…


言葉で表せない、今までに味わった事のない、最強ないやぁ〜な感覚が残っていた。


「これ割れちゃってるよ〜」


何ってぇ〜?





壊れてるよなもん置いとくなよぉぉぉぉぉ





仕切直しとなり…


「また冷たいよ〜」





ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ〜


もうわかったから


お願いだから、やめてくれぇぇぇ〜






金属の棒を動かして、中を見ているのだろう…


動く度に、みかの顔は醜くゆがむのであった。







コエダメ


レベル


★★★★★





「だいじょうぶ?」


い…


大丈夫なわけないさ〜


でも、我慢しなかったら帰してもらえない。


ひたすら我慢…


気が遠くなるとは、こういう感じなのね〜


いったいいつまで耐えればいいの〜


時間にして、1時間弱。


「終わりましたよ〜」


うなずくのが精一杯のみか。


「着替えて、泌尿器科の外来の前で待ってて下さい。


きむりん先生から、お話がありますからね。」


仕事途中で抜けてきたので、パリッとスーツに着替えたが気分はどんよりのまま。


しかも、下半身が何とも言えない違和感で、埋め尽くされていた。


何で、こんな事になっちゃったんだろうか…


かなりネガティブモードに入り、マイナス思考のコエダメへ浸かりそうだった。


ここは総合病院。


外来は午前中だけなので、暗く静かな待合いは、みかのその時の気分に


あまりにもマッチんぐしすぎていた。


待合いの椅子に座り、はぁっ〜とため息をつく。


頭の中をかけめぐる様々な事…


誰かに、すがりついて泣いたら救われるのかな。


フッと笑えた目には





涙がいっぱいで、泣いてる場合じゃないのに…





と、きむりんを待っていた。







危機感


レベル


★★★★★





きむりんがみかをみつけて駆け寄ってきた。


「やっぱり入院しようよ


えっ?


待合いの長椅子にきむりんも座り話していた。


「そんなに大きな石じゃないのに、ガンガンに塞いでるんだ。」


みかは、ただ黙ったまま聞いていた。


言葉を発したら、泣けてきそうだったからだ。


しばらく、長椅子で座り話を聞いていた。


その後、診察室に入り、今撮ってきたばかりのレントゲンを見た。


石はちゃんと、写ってる。


きむりんが石の写ってる場所のレントゲンを、持っていたペンで叩いた。


「こいつが〜


きむりんは、熱血先生である。


みかは改めてイイ先生が担当で良かったと思った。


何故、カテーテルしたのに、入院しなくちゃなんないの?


素朴な疑問が生まれる。


実は、あ〜んなにくて、気持ち悪さにも耐えたのに、カテーテルは入らなかったんだ。


石がガチガチに尿管を塞いでしまっていたからだと説明を受けた。


きむりんが石に激怒するのも無理はない。


ふりだしに戻されたわけだから…


入院かぁ…


もうあと5日なのにな〜


みかの腎臓





もうちょっとだけ頑張ってよ〜







みかのお願い


レベル


★★★★★





先生


仕事も中途半端だし〜


また急に入院なんかしたら、子供も心配するし〜


何とか月曜日まで、入院しなくていいようにして


「う……ん」





お願い





「毎日、点滴しに来れる?」





来ないと入院なら、絶対来るよ





「毎日抗生剤の点滴に来てもらう事。


それでも熱が出るようなら、諦めて入院だからね


うん


きむりんは、まったくぅ〜ってような呆れた顔で苦笑いしてた。


「早速、今から抗生剤テストして、1本入れてから帰ってね。」


はいよぉ〜


「くどいようだけど、熱出たらわかってるね?」


はぁい…


明るくやりとりしながらも内心は、どうしようもない不安が山盛りだった。


精神的にも、肉体的にも、この日はかなり疲れてた。


処置室に入り、固いベットへ横になった。


また、抗生剤のテスト。


看護婦さんに…


入院中にやったけど、またやらなきゃダメなの?


聞いてみた。


「アレとは違う薬を使うからね。


前のは一日2回する薬で、今回は一日1回で済む薬なの。


先生が一日2回通うの大変だろうからって」


やさしいきむりんである。







腫れる腕


レベル


★★☆☆☆





抗生剤のテストをまたやる事になった。


い事が続いてるので、大した事ないやって言えるほどだ〜


注射をして15分待つ。


静かな処置室には、みかひとり。


もしも、死んでしまったら…


トーイの子種をくれた人に連絡しといた方がいいのかな。


トーイの親権を取るのに、家裁で戦った日の事を思い出した。





誰にも頼らず育ててみせる





と断言した。


病気になる未来など想像しなかったし…





はぁ…





考えなくてもいい事ばかり考えて、またまた気分がどんより。


「どうかな〜」


看護婦さんが反応を見に来た。


「あら〜だめみたいね…」


今回は、ホントに駄目らしい。


すっごい勢いで、真っ赤に腕が腫れてらっしゃった。


……って事は、もう一発やるんだよなぁ〜


看護婦さんが次なる薬を持ってきて、またまたチクッ〜


じわじわっ〜


何度やっても快感には変わらない。


そして待つ15分の時間。


ひとりぼっちで、ぼんやり良からぬ事しか頭に浮かばず…


「どうかしらっ〜」


右の腕は、アルコール消毒でゴシゴシした跡がそのまま腫れていて


反応が見られる状態じゃなかった。





………またかよ







復活の誓い


号泣レベル


★★★★★





見知らぬ先生もやってきて、反対の腕に同じ薬でやってみる事になった。


看護婦さんも、ゴシゴシには気をつけて、消毒をしていた。


待つ事15分…


あちこち刺激を与えているせいか、注射跡も敏感に反応しちゃって


看護婦さんじゃ手に負えなくて、きむりんが来るのを待った。


3回のテストで6個の注射跡。


それを見て、かわいそうだと悲しい顔をするきむりん。








「もういい。これで、ゆっくり入れてくから








やっと薬が決まり、点滴開始。


小さな点滴は白濁色だった。





何時なんだろう…





日が暮れてきている。





早く家帰りたいなぁ。





明日の点滴の予約用紙をもらい、外へ出た時には会社が終わる時間と変わらなかった。


テクテクと車まで歩く。


車に乗り込み、頑張らなくっちゃと気合いを入れたが涙〜


点滴をしている間も色々考えてた。


頭によぎった全ての弱音は、まだくたばれないって気持ちで不安ながらもかき消した


やる事をやってから、心おきなく治療に専念して復活するんだもんっ


涙でくちゃくちゃの顔。


息子に悟られないように車の中で泣ききってから帰ったみかだった。







激痛排尿


レベル


★★★★★





家へ帰ると、部活で疲れたのか息子は爆睡中〜


鏡を見ると…


泣いたのバレバレな顔〜


お風呂に入ってごまかす作戦にした


……の前にトイレっ〜





……





……





……





したくない


できない


だって〜





いんだも〜んっ





ぐおぉぉぉぉぉ〜





ぐえぇぇぇぇぇぇ〜









入らなかったカテーテルの処置の時、いじくり回されたせいで排尿がぁぁぁぁぁ〜





…爆





でも、出さなくては〜


少し出しては





ぐぉぉぉぉぉ〜





少し出しては





ぁぁぁぁぁ〜





一滴ずつ出すような感じで、全部出せたかもわかりらん状態〜


トイレから出た時のみかは…


ひたすらぐったり…


このみがなくなるまでに3日。


違和感消滅までは1週間以上かかった。


これもカテーテルが上手く入ったなら許しちゃうけど、入ってないのにいのだけはいただいて





でら腹立つ





みかの結石め〜


今に見てろぉ〜


粉々にしてやるんだからっ


大きな顔してられんのも、今の内さっ


(結石って、どんな顔してんの???)


…と意気がってるみかをデカい顔してるらしき結石は





さらに苦しめてくださるのであった。







段取り


だるだるレベル


★★★★★





外来診察の翌日は木曜日。


会社へ行き、すぐに点滴へ〜


看護婦さんが仕掛けてくれたままでは、時間がかかり過ぎる。





看護婦さんの目を盗み、点滴が落ちる速度をアッ〜プ





ちゃっちゃと済ませて、会社へ戻り、商談へ出かけた。


コンちゃんも同行。








だが…


アポを取ってたのに





お相手はお出かけだとぉぉぉぉぉ〜





なめんなよっ


無駄足に終わったのだが、近々に値決めはしなきゃなんない


時間がないのに〜!<